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デザインワークスの店づくりコラム

店舗計画

地味な設備工事が快適な店舗を造る(換気編その1)

設備工事って、地味なんです

正直、お店にとって出来るだけ目立ってはいけない

設備ってそう言う物なんです

普通に快適にお店が成り立って行くのにとても重要な物ですが

あると意識されない方がいい設備設計だと私は思います。

特に今回のお題の設備工事の換気は特に意識されたくない設備です。

換気は色々とあるので何回かに分けて書こうと思っています

今回はベタな例の飲食店の換気に付いて書いてみます

まあ、飲食店はほとんどの店がガスレンジとか?火を使う設備を持っています

この火と換気はセットです

火が燃えると言う事は空気中の酸素が消費されていきます

逆説的に言うと

酸素が無いと火は燃えない

と言う事です

で、ココまで来ると火と換気がセットな理由はお判りかと思いますが

火の為に換気が必要な最大の理由は空気を供給するる為、まあ、空気(酸素)が不足しないためです

大げさな書き方ですが

多分根本そう言う事だと思います

ただ、一般的には換気するとは

換気扇で排気(空気を出す事)と思われていると思います

間違ってはいないです

事実、火のそばで排気しないと熱くてしょうがないですし

煙くてヤバいですし

油まみれに火の周辺がなってしまいますので危険でもあります

でも根本的には火のそばで排気する理由は火の周辺に給気(空気を入れる事)をする為です

意外な事に

ココを良く理解されていない換気が多いのは事実です。

だから、良く色々な所に書かれている排気の為に給気が必要なんだと言う事は

間違ってはいないんですけど

本当は給気が必要だから排気していると言うのが正しい考え方だと私は思う訳です

排気は給気が目的

まずココが一番重要なポイントです

だから、飲食店の厨房の換気計画は給気の計画が実はメインな訳です

結構目から鱗な話しだと思いますが

まあ、極端に書き過ぎ?かな(笑)

最近の新しい飲食店ビルはやっと排気する穴と同じサイズの給気用の穴が開いている事が多くなりました

ビックリする事に最近の事なんです(泣)

ですからほとんどのテナントビルでは排気する穴が一つしか無いって言う事が多いです

そう言うテナントを見て、我々が最初に考えるのは

どうやって給気しようかと言う事です

考えてみても、結局空気入れる穴がいる訳です

最低、排気と同じサイズの穴です

もし、機械で給気しないなら排気する穴よりもっと大きい穴が必要です
(大きさについて細かいことはまた別に書こうと思います)

給気は先に書いている様に、例えば火のそばで排気すると自然と穴があれば入ってくる訳です

ただ、穴が小さいと入ってくる空気の量が足りないんです。

給気が足りないと排気出来る量も減ります。

理由は排気と給気は表裏一体、

排気する量と同じだけの給気が入ってきます。

また逆説的に言いますと入ってくる給気量分しか排気出来ないからです

給気不足のお店の症例で言いますと

ドアからのすきま風

入口のドアが果てしなく重い

入り口ドアが凄い勢いでしまる(外開き)

入り口ドアが途中からしまらない(内開き)

入口ドアの周辺で怖い音がする

排水の匂いがする(特に厨房)

窓や、ドアの廻りがホコリが凄い

煙りが排気しているのにスムーズに出て行かない

などなど

これらは全て給気穴の大きさ不足が原因です
(あくまで給気が機械じゃない場合です)

これらは排気量にしたがい空気があらゆる小さい穴から入ろうとして起きる現象です

配水管の中にも空気はありますしお店の空気と繋がっていますから

排水の匂いがする空気が入ってきますし、入口のドアはお店にとって外と空気が繋がっている

最大の箇所ですから入り口ドア廻りでは色々なことが起きます

機械で給気しない限り、排気量が一定なら穴を大きくする他に解決する方法は無い訳です

そして出来れば穴は厨房内に開けたいですね

お客様のいる店内側には出来れば贅沢を言えば開けたくない。。

だって、給気するって冬の寒い空気や夏の暑い空気を入れる事ですから

出来れば厨房内にしたいんです(お店の方々ごめんなさい。。)

厨房の壁に窓やドアがあれば穴になります、ガラリやメッシュを付ければ立派な給気口に利用出来ます

どうしても大きな穴が無い、もしくは開けられない場合は

機械で給気するしか無いですね(もちろん排気している穴と同程度の穴は必要ですが)

私は機械で給気するのが理想だと思いますが

当然設備としてのコストも掛かりますし、換気設備として以外にも機械給気にはコストが掛かる部分があります

ただ単に排気と同じ量を給気してくれる換気扇でお店に空気を一つの穴から入れたら

どうなるか??想像がつきますよね

換気扇で排気している外に立った時どのくらいの風が吹いているか?

あんな風がお店の中に吹いたら大変な事ですよね

だから、機械で給気する場合は分散して風の速度を落として給気してあげないとダメなんですが

そこにもそれなりのコストが掛かりますので

自然に排気に任せて、穴から入ってくる給気の方が風の問題も起きにくいですし

コストも安いと言う訳で、給気は自然給気の方が多いのだと思います。

ですから、飲食店の給気にとって穴の大きさや位置などはとても重要な事な訳です。

でも先に書いた機械給気はコストは掛かりますが重要な給気を確実に店内に入れられる為

コストは掛かっても検討する価値はある方法です

私は店舗設計時には基本的に機械給気を先に考えてみます
(コストが解決出来ない場合や機械で入れる必要が無いと思うときは自然給気をもちろん選択していますが)

まずメリットは

穴の大きさが小さくていい

どこに穴が開いていても機械で空気を入れるので出す場所もコントロール出来る

入り口付近のすきま風などは無くす事が出来る

エアコンと連動出来れば店内にも外気温度より室内温度に近い給気が出来る
(エアコンの能力も計算しないとダメですが)

客席側の空調の計算が確実

機械給気だと排気もスムーズに排気します

デメリットは

コスト

だけだと思います

火の換気には給気が重要なんですから

排気に任せるって言うのは??ちょっと引っ掛かるんですよね〜

デザインワークス日夜、考えています。。。

地味な換気計画、換気問題。。。。

問題はコスト。。。

第一回目はこんなとこで。。